過食症と20年間生きてきたらこうなった。

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過食症と20年間生きてきたらこうなった

ひたすら隠し続けてきた過食症。

40を過ぎてようやく人様にお話しできるまでになりました。

ここでは私の過食歴についてお話しします。

目次

過食の始まり

わたしの過食が始まったのは大学一年生の夏でした。もう20年以上も前のこと。

当時の私は身長165㎝、体重60キロ。

標準体重だったけど、子供のころからまるい体型でした。

実家を出て夢の一人暮らし。

自炊も頑張って、健康的な食事をして、順風満帆な生活が続くと思っていました。

そんなある時、ふとしたことからダイエットを決意

一番簡単な方法は食事を減らすことだと思った私は、毎日夕食はキャベツだけを食べる生活を始めました。

過食の始まりはダイエット

キャベツダイエットは確かに痩せました。

たぶん一ヵ月で3キロ減くらい。

ところが一か月ほど経ったある日、キャベツを大量に食べても満足できない感覚に陥りました

何か食べたくてしょうがない。

ずーっとそわそわ落ち着かない。頭の中は、何か食べたい、そればかり。

我慢できない食欲に襲われ、菓子パンやお菓子を袋いっぱいに買って一気に食べました。

きっとここが過食症の始まりでした。

食欲を止められず、体重はどんどん増える一方。

焦った私は安易な発想にたどりつきました。

『そうだ、吐けばいいんだ』

思ったより簡単に吐けました。

『やった。これで食べても太らない。』

なんて素敵な方法なのかと思いました。

このあと、毎晩大量の食べ物を買い込んでは食べつくし、そのあとトイレで吐くという作業が日課になりました。

嘔吐による過食の悪化

吐くことを覚えた私は過食嘔吐の泥沼にはまっていきます。

大学の授業が終わったらスーパーに寄って、毎日2,000円分くらいのお惣菜や菓子パン、お菓子などを買って帰ります。

毎日毎日毎日…。

そして吐きやすいように牛乳と一緒に食べ物を詰め込みます。

食べているというより詰め込む作業、という感じです。無心です。お菓子のクズが散らかっても気にしている余裕はありません。

詰め込んでも満足したという感覚はなくなりました。

胃が物理的に膨らんで、もうこれ以上入らないというところまで詰め込みます。

苦しくて歩くこともできず、這ってトイレに行って吐いていました。

吐いた後はぼーっとして何もする気が起きず、食べ物のごみもそのまま、シャワーも浴びず、そのまま朝まで寝入ってしまうことが多かったです。

罪悪感、虚無感、放心状態、でも吐けたから安心感、満足感

いろんな感情がありました。

こんな生活を約2年間続けていました。

過食嘔吐中に起きた変化

過食嘔吐をしていた頃の体重は50キロ程度にまで減りました。

大学入学当時は60キロ近くあったので、10キロほど痩せたことになります。

毎日毎日大量のものを食べては吐く生活をしていても、自分がおかしいという感覚はありませんでした

むしろ、過食嘔吐は食べても太らない夢のような方法だと思っていました。
おいしいものを食べられるし、食べても太らないなんて最高だと…。

過食嘔吐が常習化していくと、頭の中は常に食べ物のことばかりを考えるようになりました

授業中も講義に集中できず、授業が終わったら何を食べようとばかり考えていました。

時には夜まで我慢できず、日中に食べ物を買い込んではトイレの中で食べたりもしていました。

犯罪寸前の事態に悪化した過食症

当時私はコンビニエンスストアでアルバイトをしていました。

コンビニには食べ物がいっぱい。

すると、勤務中も食べたい衝動が我慢できなくなっていました。

そこで廃棄処分となったパンやお惣菜を、勤務中に倉庫で隠れて食べるようになりました。

廃棄品が残っていなかったある日、倉庫にあるお菓子が目につき、『これを盗んで食べてもわからないだろうな』という恐ろしい考えが頭に浮かぶようになりました。

結局商品に手を出すことはありませんでしたが、あのままバイトを続けていたら万引きをしていてもおかしくなかったと思います。食欲を自制できない怖さを知りました。

こんな状況にあっても、自分がおかしいという感覚はありませんでした。自分が過食症だなんて全く考えてもいませんでした。自分ではなかなか気づけない、これが過食症の恐ろしさだと思います

嘔吐ができない環境に置かれる

大学3年生の時に留学します。

1年間ルームメイトとの寮生活だったため、嘔吐ができなくなりましたが、相変わらず過食は続きます。

留学中の食事は校内のカフェテリアで食べることが多く、ビュッフェ形式だったので、好きなものを好きなだけ食べれました。

ある日、友人と一緒にカフェテリアに行くと、私が持ってきた食べ物の量が異常だったようで、『どうしたの!?』と驚かれました。

笑って『おなかすいたんだよね』と返事をしたけれど、この時初めてこの量は異常なのだと気づき、人と食事をすることが恥ずかしくなりました

これ以降、食事はできる限り一人で食べるようになりました。

1人で食べることを好むようになる。

このころは嘔吐ができないことがストレスでした。

みるみる体重が増える自分が醜いと思い、吐きたくてたまらない。

一人部屋だったらどんなによかっただろうと思っていました。

それでも吐かない期間が一年続いたことになります。

食べるのに吐かないので、結局体重は10キロ増えました。

嘔吐の回数が激減

留学から帰ってきても過食の症状は続きました。

ただ、過食する回数も、過食嘔吐をする回数も留学前よりは減っていました。

以前は毎晩のように過食嘔吐をしていたのですが、このころは時々過食、時々過食嘔吐という程度でした。

それでも猛烈な食べたい衝動は時々訪れ、そのたびに過食をし、落ち込むという現象はこの先ずっと続きました

結局、

一定期間過食ができない環境に置かれた後は、過食の回数が減るけれど、治りはしなかったということになります。

メンタルクリニックに通う

大学を卒業する直前には、自分が過食症であるという自覚がありました。

でも病院に行けば保険証の履歴から両親に病気がばれると思い行けませんでした。

ドラッグストアでセントジョーンズワートみたいなサプリを買っていましたが、それで効果を感じたことはありませんでした。

社会人になっても過食は続きました。

何とかしたいと思って、ようやくメンタルクリニックに通うことにしました。

先生はとてもおだやかな方で、初診時に私の生い立ちをいろいろ質問した後、SSRIという薬を処方してくれました。

数か月飲みましたが結局過食は治らず、通院をやめました。

薬を飲んでいても過食衝動は止められませんでした。

個人輸入した薬を飲みまくる

病院での薬では治らないとわかり、それなら自分で過食症を治す薬を探そうと個人輸入を始めました。

このころは自分でネットで検索することが増え、過食症に対する知識がかなり増えていました。

例えばアメリカでは、過食症治療の第一選択肢として処方される薬に『プロザック』というものがあります。この薬は日本では未承認なので処方してもらえません。

こういう薬を個人輸入して自己責任で服用していました。プロザックだけではなく、過食に効果があるという文献があれば、その薬を試す、ということを何年も続けていました。時には薬の副作用から吐き気が止まらかったり、足がムズムズしたり。

こんなことを続けていてはだめだなと思ってはいたけれど、過食が起こるたびに落ち込み、自己非難をし、また新たな薬を探すという悪循環でした。それでもやはり過食は続きました。

※個人輸入を進めているわけではありませんよ。結局私の過食症は治らなかったですし。

30代になってからの変化

30を過ぎると、仕事のプレッシャーが大きくなっていきました。

当然のようにストレスが溜まっていきました。

そしてストレスの解消手段が過食になっていました。

帰宅途中にお菓子やパン、お惣菜を買っては我慢できずに歩き食べをしたり。

家に着くまでに食べ終えてしまって、またコンビニに買い出しに行ったり。

でも太るのが嫌で、泣きながら外にランニングに行ったり。

変化と言えば、過食を終えてからの落ち込みがひどくなったことです。

毎日過食をすることはなくなっていました。

でも、過食をしたら数日間過食モードが続き、仕事にも行きたくなくなって、特に月曜にはずる休みをするようになりました。

結婚しても過食は治らない

結婚をして、仕事を辞めました。

ストレスがなくなれば過食も減るだろうと思っていました。

ところが、過食はさらにひどくなっていきました。

仕事を辞めて一人の時間が多くなると、過食に走ってしまうのです。

さらに、このころから過食後の落ち込みがさらにひどくなりました。

ソファーの上で横になったまま一日が過ぎました。

手足は鉛のように重たく動かす気力もなく、ただただ眠るだけの日もありました。

時には死にたいと思い、すべてのことを投げ出したくなりました。

たぶん過食症に加え、うつ病を併発していたのだと思います。

40代になってからの変化

過食症は40を過ぎると治る、とよく耳にします。

今のところ、過食は治っていません。

一年前から精神科に通院しています。

過食症とうつ状態でお薬を処方してもらっていますが、過食衝動は今でも襲ってきます

ただ、薬のおかげで、落ち込むことも、寝込むこともなくなりました。

今は過食症を受け入れて、うまく付き合っていこうと思うようになりました。

現状と対策

過食症は治るのか?

私の結論ですが、たぶん一生治らないと思います。

先生が言うには、食べ物に依存している状態だそうです。

この意味がよくわかります。

過食の衝動が来ると、短時間でとにかく今目の前にあるものを全部食べ切るという行為を行い、そのあとまるでお酒に酔ったかのようにぼーっとしてきます。

アルコール依存なら、アルコールを断つ。

食べ物依存の場合は、食べ物を断つわけにはいかない。

ここが難しいところだそうです。

過食には全く効果がありませんが、日々の体重管理に『リベルサス』と『フォシーガ』を使うようにしています。

オオサカ堂さんには15年来お世話になっています

もし今後、過食症完治ができたならこのブログでお知らせできればと思います。

色々旅して、さぞポジティブ、アクティブな運営者だろうなと想像された方も多いかもしれません。

実際はこんなありさまなのです。

それでも人生を楽しめるよう、頑張っていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

海外在住歴8年アラフォー女子。現在は日本在住。
留学、仕事、一人旅、在住含め、今までに訪れた国は21ヵ国。
近年は夫と二人旅がメイン。

『経験したからこそ分かったこと』を書いています。いいね!も、ないね!も、忖度しません。そしたら次の人はもっといい旅ができるはず。

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